Monthly Archives: 4月 2017

福祉相談と心理的ケア…生活困窮、心の問題と連動

京都大などが共同研究

 失業、貧困、引きこもりなどで、福祉の相談窓口を訪れる人の中には、心理面のケアが必要な人が少なくない――。そんな問題意識から、京都大学こころの未来研究センターと千葉市の自立相談支援機関が、生活困窮者の実態を調査し、その傾向を分析する共同研究に取り組んでいる。

福祉の専門家と心理学・精神医療の専門家は従来、育成過程も相談窓口も別々だった。しかし、現代社会で生活に行き詰まる人の問題の多くは、両方の領域にまたがり、切り離しては対応できないと感じる」

 研究代表者を務める京都大学教授の広井良典さん(前千葉大学教授)は、こう言う。

 例えば、引きこもり問題。典型的なのは学生時代に不登校になり、そのまま中高年に至るケースだが、最近は、不況で就職先が見つけられず、大学を卒業してから、こもり始める例もあるという。いずれにしろ、親が高齢になって収入が減ったり、亡くなったりすると生活が成り立たない。

 「少年期からの心の問題の要素にせよ、社会経済情勢の影響にせよ、複合的な要因が関わっており、心理的ケアや就労支援、住宅支援などを含む包括的な対応が必要になっている」と広井さん。有効な支援策を考えるために、生活困窮者の重複する課題の傾向を分析しようと昨年4月から、千葉市の自立相談支援機関である「生活自立・仕事相談センター稲毛」と共同研究を始めた。

 まだ研究途中だが、昨年4~6月に相談を受けた78人の抱える課題(複数回答)を集計すると、「経済的困窮」「住まい(家賃など)」「就職」「心の健康」「病気」「家族関係」などが多かった。約7割が、三つ以上の課題を抱えていた。

 配偶者や恋人からの暴力(DV)なども含め、「家族関係」に問題を持つ20人のうち、18人は「心の健康」にも課題があった。「就職」問題を抱える26人でも、約半数の12人は「心の健康」にも課題があった。

 集計した同センター長の菊地謙さん(精神保健福祉士)は「元々の生活保護、就労支援などの公的福祉の対応は、法律・制度で守備範囲を限定してきた面がある。現実に相談に来る人にはコミュニケーション力や行動力が弱い人も多く、縦割り的な対応では済まないことが多い」と話す。

 浪費癖があり借金がかさんで相談に来た60歳男性は、社会福祉協議会の通帳管理サービスを利用することにして家計が安定した。同時に、うつ病も抱えていたため、精神科受診についても菊地さんと話し合った。「支援制度だけでなく、メンタル面の相談にも親身に乗ってもらえてとても助かった」と男性は話す。

 就労などの相談で来た人でも、心の問題を抱えているとみられる場合は、臨床心理士の無料相談会につないだりすることもあるという。

 広井さんは「心理的なケアのようなことは、かつては家族や職場、地域の中で対応されていた。しかし、家族の多様化、都市化、不況、雇用環境の悪化などの流れの中で、その支えが弱まり、『心のケアの社会保障制度』が求められるようになっている。さらに研究を進め、効果的な支援策のあり方を提案したい」と話している。

  自立相談支援機関  失業や病気などで生活に困る人を、生活保護を受ける手前で支える相談窓口。2015年4月に始まった生活困窮者自立支援制度に伴い、福祉事務所のある902自治体に設置されている。一人一人の状況に応じた支援プランを作る。

ヨミドクターから転載

「ネガティブ思考」を断ち切る3つのステップ ~まずは受け入れることから始めよう~

ネガティブ思考は当たり前

人間は誰でも、(「くまのプーさん」のキャラクターで言うならば)ティガーよりもイーヨーのような傾向をもつ。つまり、よい経験よりも悪い経験のほうを、繰り返し思い返してしまうのだ。これは進化の結果であり、危険を避けて危機に素早く反応するのに役立っている。

しかし、つねにネガティブな気持ちだと幸福感は妨げられ、ストレスと不安のレベルが上がり、究極的には健康にも影響が出る。他人よりもネガティブ思考に陥りがちな人もいる。心理学者で、認知行動療法を行うベック・インスティテュートの代表であるジュディス・ベックは、思考のスタイルには遺伝や子どもの頃の経験が影響すると言う。子ども時代にからかわれたり、いじめられたりすると、あるいは心的外傷や虐待などを経験すると、ネガティブな思考の癖がつく可能性があるのだ。また、2013年の研究によると、女性のほうが男性よりも思い悩みやすいという。

「人間はネガティブな経験からは過剰に学習し、ポジティブな経験からはあまり学習しないようにできている」と、リック・ハンソンは言う。ハンソンは心理学者で、カリフォルニア大学バークレー校のグレイター・グッド・サイエンス・センターのシニアフェローだ。

しかし、練習によりネガティブな思考のサイクルを断ち切り、制御することができるようになる。

ネガティブ思考をやめるための最初のステップには、少し驚かされる。それは、ネガティブ思考を「やめようとしないこと」。昇進を逃したことや、大統領選挙の結果などをくよくよと考えているとしても、「このことを考えるのはやめよう」とは自分に言い聞かせないことだ。

「自分の思考をコントロールしようとすると、心配や悩みはより深くなる」とベックは言う。

その代わりに、自分はネガティブなサイクルに入っているということに気づき、それを認めよう。自分に向かってこう言うのだ。「私は良くなかった評価にこだわっている」「私は選挙の結果にこだわっている」。

自分のネガティブなサイクルに気づき、それを受け入れることで、ネガティブ思考を鎮める方向に向かうことができる。「受け入れること」は、ストレス低減の手法であるマインドフルネス瞑想(めいそう)法の基本だ。マインドフルネスの効果を活用するには、毎日目を閉じて瞑想する必要はない。自分の思考に気づくよう、自分を促すのだ。その際に、すぐにその思考を変えようとしたり、批判的になったりしてはいけない。

ネガティブな思考を受け入れると、その重さを減らすこともできる。心配している自分に怒ったり、心配はやめろと自分に言い聞かせたりすると、ネガティブな炎がよけいに燃え盛るだけだ。

友人へのアドバイスのつもりで考える

ネガティブ思考を受け入れたら、次はそれに挑む。

仕事での行き詰まりの例に戻ろう。昇進できなかったことで、あなたはおそらく自分の全般的な能力を不安に思い、自分を非難していることだろう。ここで、自分にこう問いかけよう。「一度失敗したからといって、なぜ実力がないということになるのか」。あるいは、こう尋ねてもよい。「私が本当はとても実力があると示せた仕事は、何だっただろうか」。

ネガティブ思考に挑むのが難しかったら、次の方法を試してみよう。あなたではなく、あなたの友人にその悪い出来事が起こったと想像する。あなたは友人にどんなアドバイスをするだろうか。では、そのアドバイスを自分に言ってみたとしたら、どうだろうか。

こうした方法はソクラテス式問答法として知られるが、オハイオ州立大学で行われた研究では、これを行うと大人のうつ症状を減らせることが示された。この研究では55人の成人が16週間の認知行動療法に取り組んだ。研究者らは治療の様子を写した映像を研究し、セラピストがソクラテス式問答法を用いれば用いるほど、うつ症状が減少することを発見した。ソクラテス式問答法により、患者は自分のネガティブ思考の妥当性を検証でき、より現実的で幅広い視点を獲得できたのだと、研究者らは論じた。

時には、あなたの暗い考え方が有効である場合もあるだろう。しかし、未来に何が起こるかについての予測は有効でない。次のシナリオを検討してみよう。あなたのパートナーがあなたから離れ、別の相手のところに行ってしまったとする。ベックによると、「パートナーは、もう私を愛していない」という考えは正しいかもしれないが、「この先、誰も私のことを愛さない」という考えはおそらく正しくない。

続いて、ネガティブ思考に立ち向かうために、非行動から行動に移ろう。あなたが「愛されていない」と感じて心配ならば、友人や家族と連絡を取ってみよう。仕事で不安を感じるなら、これまでの実績をリストにしてみよう。あるいは、あなたの親友に頼んで、あなたの良いところや優しい人間であるところをすべて手紙に書いてもらおう。そして、その手紙を毎日読み返すのだ。

『幸せになれる脳をつくる』という本の著者でもあるハンソンは、ネガティブ思考を続けることで、何かを成し遂げられるのか自問してみるのもよいだろうと話す。競技場のトラックを走りながら自分の金銭的な問題について考え、解決策を見いだそうとしているのなら、それは役に立つかもしれない。しかし、トラックを何周もする間、次期大統領や海外の危機について頭を悩ませたところで、何も成し遂げることはできない。

ネガティブ思考のために動揺したり、打ちのめされたりしていると感じるならば、一度深呼吸をし、続けてもう一度してみよう。深呼吸のような呼吸の練習は、ストレス反応を低下させ、不安な思いを鎮めるのに役立つ。

脳がネガティブ思考に慣れてしまわないように

もしネガティブ思考のためにひどく苦しんだり、仕事やリラックスすることが難しくなっていると感じるなら、精神医療の専門家を訪ねてみることを検討しよう。特に、認知療法を専門とするセラピストが力になってくれるかもしれない(認知療法とは、しつこく不快な思考に対処するための実践的な方法を教えるものだ)。もし、あなたのネガティブ思考の源が、臨床的うつ病や強烈な不安であるならば、あなたの思考パターンの根本的な原因について専門家と話し、治療法を相談することを勧める。

どのアプローチが自分にとって最も効果的か選別しているときにも、息抜きをして、張り詰めた心を思いやろう。

「ネガティブに考え続けるほど、あなたの脳はネガティブに考えることに慣れてしまう」とハンソンは言う。彼はこう自問することを提案する。「私の思考は自分を強くしているだろうか。あるいは自分を壊しているのだろうか」。

 

東洋経済ONLINEより転載

「思春期女子」の揺れやすい心は注意が必要~ うつや自殺の兆候を見逃さないで~

増加のトレンドは女子で顕著

米国の小児科医が思春期の子どもたちの健診において必ず聞かなければならないけれど、聞きにくい質問。それはうつや自殺に関するものだ。

「薬物使用と健康に関する全米調査」の毎年のデータを基にした研究によれば、12~17歳の子どものうつ病の有病率(過去1年間に大うつ病エピソードを経験した割合)は、2005~2014年の間に大幅に増えた。この傾向は少年よりも少女のほうで強かった。

18~25歳の年齢層で見てもうつ病の有病率は大きく上昇していたが、このうち実際に増えていたのは18~20歳だった。つまり、増加が見られるのは12~20歳の年齢層と考えられる。

米小児科学会(AAP)の発行する学術誌『小児科学』で発表されたこの論文の主著者であるジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院のラミン・モジタバイ教授(精神衛生学)によれば、2005~2011年までは有病率の実質的な上昇は見られなかった。上昇に転じたのはその後で、特に2012~2013年が顕著だったという。

なぜうつ病の有病率が上昇し、特に少女でその傾向が強いのか。思春期の子どもたちにうつ病が増えたのか、それとも他人にオープンに話せるようになっただけなのか。モジタバイ教授によれば、確かに過去20年ほどでうつ病について話すことに対するティーンエージャーの抵抗感は薄れてきているものの、それが有病率の増加の理由になるとは考えられないというのが研究チームの考えだという。

研究チームは薬物乱用の有病率からデータを調整してみたが、それでもうつ病の有病率上昇のトレンドは存在した。薬物使用や飲酒の問題で説明がつくものではなかったのだ。また、世帯構成(両親がそろっているか片親か、両親ともいないか)による分析もトレンドを説明するには至らなかった。

米国では自殺は事故に続いて15~19歳の死因の第2位だが、その率はうつ病の有病率とは逆に1990年代以降減少している。一方で米疾病対策センター(CDC)は昨年11月、最新の2014年のデータを基に、10~14歳が自殺によって命を落とすリスクは交通事故死と同水準まで上昇していると発表した。

携帯電話の没収は裏目に出ることも

ベンジャミン・シェインはノースショア大学医療システムの小児・思春期心理部門の責任者で、昨年夏に発表されたAAPの青少年の自殺および自殺未遂に関する臨床報告書で主著者を務めた専門家だ。「自分の子どものことで言うなら、ある意味、統計はどうでもいいことで、大事なのは目の前の子どもその人だ」とシェインは言う。「懸念すべき兆候に注意を払ってほしい」。

シェインによれば、親はアドバイスしたり介入したり、問題を解決しようという衝動に駆られることがあまりに多い。「親がすべきことは主に、(子どもの話に)耳を傾けることだ。会話の90%は聞き役に回るべきだ」と彼は言う。

残る10%も、解決法を提示しようなどと思ってはならず、「子どもが問題を解決するのに力を貸す」べきだという。またシェインは、電子メディアが青少年に与える影響にも警鐘を鳴らした。

モジタバイはシェインらの報告書には児童虐待やネグレクト、電子機器といった要因に関する一部の情報が欠けていると指摘する。一部の研究では、こうした要因はうつ症候群と関連があるとされている。

「ネットいじめが特に女の子のうつ病の増加、ひいては自殺の増加に関わっているかもしれない点を示唆する証拠は確かにある」とシェインは言う。インターネットとの付き合いについては、どのように子どもを指導すべきか悩む親も多いと彼は言う。親としては携帯電話を取り上げようという衝動に駆られるかもしれないが、それがさらなる事態の悪化を招く可能性も否定できない。

「子どもたちは、実際に(ネットで)起きたことよりもソーシャルメディアを親に制限されることのほうをつらく感じる傾向がある」と彼は言う。「ソーシャルメディアは子どもたちにとって仲間とつながる手段であり、支えられたり、会話する手段だ。それを取り上げたら、子どもはひどく孤立してしまう」

モジタバイに言わせれば、うつ病増加というトレンドを裏付けるにはさらなる情報が必要であり、それ以上に必要なのはティーンエージャーの生活に関する情報だ。だがその一方で、親がうつ病の危険な兆候についてきちんと知っておくことも重要だ。それは心の病を抱える子どものためだけでなく、診断を受けるに至っていない子どものためでもある。

「精神医学的な問題を抱えているのに、親に気づいてもらえず、その結果として治療を受けられない子どもや若者は大勢いる」と彼は言う。

簡単に見分けはつかない

ティーンエージャーのうつ病の兆候には、悲しい気持ちや怒りっぽさが続くといった気分の変化や、学業不振のような機能水準の変化、食や睡眠の習慣の変化といったものが挙げられる。友人や家族と交わろうとしなくなったり、以前は大事に思っていた活動への関心を失うこともある。また、エネルギーの減退や集中力の低下、原因不明の痛みといった、うつ病特有ではない症状も兆候に含まれる。

思春期の子をもつ親なら、「普通の」思春期特有の気分の揺れやティーンエージャーらしい行動と、懸念すべき兆候の違いは何だろうと思うはずだ。そこで考えるべきは、症状はどれほど深刻に思えるか、どれくらい続いているのかという点だ。本当に子どもに変化が生じたように思えるなら、思春期のせいだと片づけるわけにはいかない。

シェインは、懸念すべき兆候にはうつ病に特有とは言いがたいものも多いと指摘する。思春期の子どもが部屋に引きこもったり、急に成績が落ちたりする理由はたくさんある。

「それはうつかもしれないし、薬物かもしれないし、単に宿題が大変すぎるだけかもしれない」と彼は言う。「まずは子どもと一緒に腰を下ろして話をすることだ。どうしたの? と。次は学校の先生に話をしてもいいし、子どもをカウンセラーや精神科医のもとに連れて行ってもいい」

うつ病の有病率の上昇を薬物乱用の問題で説明することはできないが、その一方で青少年では薬物乱用とうつ病が同時に起きやすいことは念頭に置いておくべきだ。うつを訴える患者は薬物やアルコールに走りやすい。

うつ病を診断するだけではもちろん、問題は解決しない。また、診断されれば早く回復できるというものでもない。たとえ思いやりがあり支えてくれる家族がいてもだ。シェインの手がけたAAPの臨床報告書にはこう書かれている。「自殺のリスクは減らすことはできてもなくすことはできない。(ここに挙げられた)リスク因子はあくまでも参考に過ぎない」。

ティーンエージャーとその親たちにとっては長く困難な旅路かもしれない。だがこれが意味するところは、親そして小児科医は適切な問いを発し続けなければならないということだ。

 

東洋経済ONLINEより転載

 

「やる気の出ない人」に教えたい食事の知識 ~あなたは糖質を摂りすぎていませんか~

何だか仕事にやる気が出ない。ストレスが溜まっている――。その原因は「食事」にあるかもしれません。『なぜ一流の人はストレスが溜まらないのか』などの著者で、TBSドラマ「ATARU」の医療監修も務めた精神科医の西脇俊二氏がそのメカニズムを解説します。

 

もっと「食事」を大事にすべきだ

私はこれまでに多くのビジネスマンを観察してきました。仕事を頑張るために多くの人は「能力」を重視します。能力を高めるために学び、スキルを身に付けていくことはすばらしいことですが、一流になれない人ほど能力を最大限に発揮する「環境作り」から目を背けがちです。特に「食事」についての知識が不足しています。

「バランスの良い食事をとりましょう」と言われることは多いでしょう。ところが、そのように心掛けて食事をしているつもりでも、現代人が過剰摂取してしまいがちなものがあります。それは「糖質」です。知らず知らずに糖を摂取してしまう食品が多くなったので、自ら意識しなくても過剰な量を摂取しているのが現状です。

糖の過剰な摂取は仕事のパフォーマンス低下につながりかねません。脳内で分泌される神経伝達物質にはセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどがあります。私たちが安定した精神状態を保つためには、これらの脳内物質がバランスよく分泌されている必要がありますが、過剰な糖の摂取はそれを邪魔します。

糖を摂取すると血糖値を下げるため、大量のインスリンが分泌されます。そのインスリンが自律神経を刺激し、「やる気・元気」のもとになるドーパミンの分泌量が低下。「なんとなく気分が晴れない」「やる気が出ない」などの「うつ」症状につながることさえあります。

「糖質」の過剰な摂取が健康の問題だけではなく、メンタルに大きな影響を及ぼしかねないのです。たとえば昼食に糖質を多く含む炭水化物系の料理をたくさん食べると、午後の仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすこともあります。そして仕事がうまくいかないからと、夜に居酒屋で大量のビールを飲んだらどうなるでしょうか。ビールにも多くの「糖」が含まれていますから、悪循環になりかねません。

過去、昭和の時代では、家事は機械化されておらず手作業、仕事と言えば「歩く」などいつも全身を使う労働が多く、人間の体はエネルギーをたくさん必要としました。ところが現代は、電車、バス、自動車、の交通の発達で歩く量の減少、そしてパソコンに向かう作業や話すことが中心。「コメ」や「麺類」、「パン」などの炭水化物という「主食」の必要性は下がっているのです。「日本人にはコメ」という信仰も今の時代では思い込みに過ぎません。

3大栄養素と言われてきた炭水化物、タンパク質、脂質も、それぞれの役割を見ると、アミノ酸に分解され体のあらゆる部分を作るタンパク質、体を形成する60兆個の細胞の、細胞膜の主成分となる脂質も欠かせません。

しかし、糖質は体内でブドウ糖に分解され、エネルギーになるだけです。ただ、それだけなのです。車に例えればガソリンです。車に乗って移動する必要がないのに、現代人の私たちはガソリンを補給し過ぎなうえに、仕事のパフォーマンスを低下させ、メンタルにも大きな影響を及ぼしかねない厄介者なのです。

優秀なビジネスマンの中には「糖質制限」「減糖」を意識して実践している人も少なくありません。まずは「減糖」を意識することが、糖が及ぼすスパイラルから脱却し、仕事で最高のパフォーマンスを発揮するための最短距離です。多くの一流と呼ばれるビジネスマンに共通する食習慣を紹介しましょう。意外にも、多くの方が正しいと思い込んでいたものは、実は誤りかもしれません。

 

最高のパフォーマンスを手に入れる「減糖」習慣

(1)主食という概念にとらわれない

ごはん、パン、うどん、そば、ラーメン、そうめん、パスタ、ビーフン、春雨、小麦粉を徹底的にカットする。世界を見ても、主食という概念があるのは日本人ぐらいです。欧米では前菜、メインの区別があるだけでパンやライスは添え物です。

「肉にしようか、魚にしようか、煮て食べるか、焼いて食べるか」。メインを起点に満足を得られる献立の選択をしてください。とはいえ、いきなり3食すべて主食抜きは心のブレーキを強めて逆戻りしてしまうので、まずは夜だけでも主食を抜いてみることから始めるといいでしょう。

(2)動物性タンパク質を中心に

摂取したいのは肉や魚などに含まれる必須アミノ酸、赤身肉を中心に摂取しましょう。牛肉、豚肉ならロースよりももも肉、ヒレ肉、鶏肉ならササミや胸肉です。高級な肉を選ぶ必要はまったくありません。豚肉からはビタミンB1、鶏肉からはビタミンB6、牛肉からは亜鉛、霜降り肉は「糖」が含まれるのでNG。ハムやソーセージは製造過程でブドウ糖、果糖が加わるので避けましょう。

魚介類では、サバ、イワシ、サンマなどにはエイコサペンタエン酸(以降、EPA)やドコサへキサエン酸(以下、DHA)が含まれています。細胞膜や赤血球の材料になり、血液をサラサラにし、脳の機能を高めます。貝類、甲殻類はコレステロールを減らし血圧や血糖値を下げるタウリンが含まれています。ただし、加工食品は避けてください。かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練り製品にはでんぷんや砂糖などが含まれています。

(3)野菜・果物はほどほどに

野菜=健康的のイメージは1回捨てましょう。そのイメージとは裏腹に、野菜にも糖質は含まれています。特に甘みのある根菜類には糖質がたっぷり、にんじん、ごぼう、れんこん、たまねぎ、カボチャ。考えてみると、これらの根菜が煮ると甘くなるのは、糖質がふんだんに入っているからです。同じく果物も、りんご、バナナにはそれぞれ多くの糖質が含まれています。果物に含まれている糖は「果糖」ですから中性脂肪になりやすいのです。

もやし、アボガド、ハーブ、ほうれん草、小松菜、水菜などは推奨できますが、ビタミンやミネラルの摂取は、肉や魚から摂取したほうが効率的です。ビタミンAはウナギ、銀ダラから、ビタミンB12は牛レバーや牡蠣、ハマグリなどに含まれています。

(4)卵、豆腐は安心して食べよう

卵はビタミンC以外の栄養素のほとんどを含む完全栄養食品です。良質のタンパク質の宝庫で、必須アミノ酸もすべてそろっています。それでいて、糖質は1個あたり0.2gしかありませんから、1日に3~4個食べても問題ありません。

卵と聞けばコレステロールを気にする方もいますが、血液中のコレステロールは肝臓で合成されるものが多く、食べ物からの影響はわずかです。最近ではコレステロール値が高いほうが健康には望ましいという研究結果もあるので、安心して卵を食べましょう。

豆腐も卵と同じく、良質なタンパク源です。水抜きの後、細かくしてからフライパンで煎って「ソイライス」にすることもできますから、主食の代わりに使える使い勝手の良い食品です。しかし、同じ大豆由来の食品でも豆乳やおからはでんぷんが65%含まれ、糖質を多く摂取してしまいます。

ブラックコーヒーも注意

(5)「コーヒーはブラックならOK」は誤解

飲料は、水、白湯、紅茶を中心に。甘いジュースは知ってのとおりどれも糖質が多く含まれています。缶コーヒーや炭酸飲料はもはや周知の事実ですが、砂糖なし、ミルクなしのブラックコーヒーも注意です。植物の種や葉をすりつぶして作る飲み物は、でんぷんがむき出しの状態で抽出されるので糖質が含まれています。お茶ならすりつぶさず葉っぱのままから抽出される緑茶か紅茶、ウーロン茶など発酵が進んだものにしてください。

炭酸飲料はソーダ水ならよいのですが、炭酸そのものは胃を荒らし、消化力を低下させます。コンディションによっては白湯に変えることをおすすめします。「炭酸は体によい」と昨今話題になっていますが、体調を無視して飲み続けると消化力を落とし、肉や魚を食べることが苦しくなってしまいます。

酒は糖質のない、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選びます。もはや説明はいらないでしょうが、日本酒やワインなどには多くの糖質が含まれています。甘みの強いカクテルやサワーは当然NG。ビールは糖質ゼロを推奨しますが、できるだけ麦芽とホップだけを使ったビールが望ましいでしょう。コメやコーンスターチを原材料にしたビールは糖質だけでなく、遺伝子組み換え食品を使っているケースがあることにも留意しておくといいでしょう。

とはいえ、糖をすべて敵のように見なしてしまうと、食生活に楽しさもなくなってしまいます。完全にシャットダウンするのも現実的に難しいでしょうから、このような知識を持ちつつも、適度な量だけ楽しみストレスにならない程度にやっていくことをお勧めします。完璧主義になりすぎることは逆にストレスをため込みますので、注意が必要です。

 

東洋経済ONLINEより転載

新職場でストレスためないで 早めにケア、解消法実践を

この春、就職や転勤などで、新たな職場での一歩を踏み出す人も多いでしょう。新しい環境ではストレスがかかりやすいもの。職場でストレスをためないためのポイントを、専門家に聞きました。

季節の変わり目は心の不調に注意

 日常生活でストレスは付きものだが、過度のストレスは心身の不調を招く恐れがある。「環境の変化もストレスの要因。早めのケアでブレーキをかけることが大切」と横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義医師は指摘する。

 まず自分自身が「ストレスを感じている」と気づくことがケアの第一歩。身体、心理、行動面でどんなストレス反応が出るかには個人差がある。夫婦・親子関係、介護、失恋といった仕事以外のストレスも影響する。

 山本さんにお薦めのストレス解消法を挙げてもらった。「平日のストレスを週末に解消しようと思っていると、結局解消できないまま憂鬱(ゆううつ)な月曜日を迎えてしまうことも。仕事の合間のストレッチや腹式呼吸など、日常生活の中ですぐできるストレス解消法をできるだけたくさん持ち、毎日実践するように心がける方がいい」と山本さん。

 生活習慣もストレス反応に影響する。運動・労働・睡眠・休養・食事の五本柱が乱れると、ストレス反応を招きやすい。「例えば、運動習慣のない人はある人と比べ、疲れやすい、何をするにもおっくう、といった傾向があるとわかっている。エレベーターを使わずに階段を使うといったことから始めて、1日15分でも運動を心がけて」

 ただ、不調を全てストレスのせいにするのは危険だ。「体の病気で症状が出ている場合もある。症状に応じて病院の受診を」と山本さん。悲しくなる、不安になる、気分が沈む、といった不調が2、3週間程度続くなら、うつ病などのリスクもある。心療内科や精神科などの専門家に相談するよう勧める。

 職場の上司らによる対応もストレスのケアになる。特定社会保険労務士で産業カウンセラーの中辻めぐみさんによると、この時期ストレスを抱えやすいのは研修期間明けの新入社員や、昇進・転居を伴う異動などで環境が変わった人たち。「新入社員は『怖そうな先輩の指示がよくわからなかったけど、どう聞き直せばいいのか』といった対応ひとつにも悩む。ささいなことの積み重ねがストレスになり得る」という。「同僚や家族、友人に話して、とにかく1人で抱え込まないで」と助言する。

 周囲は、遅刻・欠勤、ケアレスミス、酒量が増えたといった「いつもと違う」様子に気を配り、状況に応じて「どうしたの?」と声をかける。「問題を解決することも大事だが、『職場に自分のことを気にかけてくれる存在がいる』ということを知らせるだけでも意味がある」と中辻さん。話を聞く時は腰を折らずに共感して聞く姿勢が大切。そのためにも上司自身が自分のストレス反応に気づくように心がけたい。

■「強く感じる」55%

 厚生労働省の労働安全衛生調査(2015年)によると、現在の仕事や職業生活に関して「強いストレスとなっていると感じることがある」とする人は55・7%。その内容は「仕事の質・量」が最多の57・5%、「対人関係(セクハラ・パワハラ含む)」が36・4%、「仕事の失敗、責任の発生など」が33・2%だった。こうした状況を受け、同年12月から始まったのが「ストレスチェック制度」。年1回、従業員がストレスに関する質問票に回答するストレスチェックの実施が、従業員50人以上の事業所に義務づけられた。

■働く人の相談窓口

 厚労省の委託で開設された、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/別ウインドウで開きます)では、メールや電話の相談窓口の案内、医療機関などの情報を提供している。働く人の「こころの耳電話相談」(0120・565・455)は原則、月・火曜午後5~10時、土・日曜午前10~午後4時。

 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターのメール(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp)でも、地域を限定せずに、働く人や家族からの相談に山本晴義センター長が対応している。

 

朝日新聞デジタルより転載

発達障害の子らへ教員手厚く 改正法成立

 発達障害のある子らが一部の授業を別室で受ける「通級指導」など、特別な指導が必要な子どもへの教員配置を手厚くする改正義務教育標準法が27日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。4月に施行される。教員全体でみると、少子化に伴って自動的に教員数を減らす分を除き、2016年度より計868人の増員となる。

 改正同法では、通級指導に当たる教員1人当たりの子どもの数が、都道府県や政令指定市ごとに現行の16・5人から13人になる。教員不足で通級できない「通級待機」を減らし、よりきめ細かい指導をめざす。また、外国人の子に日本語を指導する教員についても1人当たり21・5人から18人になる。

 教職員定数は、子どもの数などに応じて機械的に決まる「基礎定数」と、各校の課題などに応じて配分する「加配定数」で決まる。法改正で通級や日本語指導の教員は基礎定数に組み入れられるため、各自治体は年度ごとに変動する加配に頼る割合が減り、正規雇用の教員を配置しやすくなる。

 いじめや不登校への対応(25人増)▽貧困などによる学力課題の解消(50人増)▽小学校の英語などの専科指導の充実(165人増)――は加配で対応する。

 

朝日新聞デジタルより転載

一流の人が忙しくても瞑想を欠かさない理由~ 俯瞰し、平常心を保つことが良い結果を生む~

東京都内のIT企業で役員を務める竹内徹さん(50、仮名)には、毎日欠かせない習慣があります。

時間にするとほんの10分。目を閉じて、呼吸に意識を置く。外界から意識を遮断し、 呼吸を感じて自分の心を整える時間を意図的につくります。途中で雑念が浮かんで呼吸から意識がそれたことに気づいたら、また呼吸に集中――。竹内さんが取り組んでいるのは、瞑想の一種であるマインドフルネスです。

瞑想やマインドフルネスへの関心が急上昇

仏教の禅やヨガを源流とする「瞑想」や「マインドフルネス」への関心が、ビジネスパーソンの間で急速に高まっています。グーグルやフェイスブック、ナイキ、インテルなどの世界的に有名な企業だけでなく、アメリカなどでは政府機関の研修などにも取り入れられているケースも見られます。日本にもその波は押し寄せ、グーグルトレンドでキーワード検索してみるとマインドフルネスの人気度は今年夏、5年前の100倍になっていました。瞑想も同約4倍です。

マインドフルネスが注目されるのは、ビジネスパフォーマンスをあげるための心のトレーニングになるからです。時間としては、1分でできるものから本格的なものまであり、特にビジネスシーンにおける自己認識力や人間関係力などのスキルを高められるといわれています。

筆者はヨガの瞑想やビジネスセミナーを通じて、述べ5000人以上に呼吸法を通じた簡単な瞑想方法やコミュニケーショントレーニングを行ってきました。これらの経験から実感していることの一つは、どんなに忙しくても瞑想やマインドフルネスを日常的に欠かさない人には、一流と呼ぶにふさわしい経歴や実績、能力を持っているケースが多いということです。

マインドフルネスを含む瞑想とは、「判断することなく、今、起こっていることを観ること」。 20年以上の臨床経験を持つ精神科医の益子雅笛さんに言わせると、「人間の体は3次元ですが、脳が作り出しているものは過去や未来という時間軸が加わって4次元。つまり、体と脳にはギャップがあり、このギャップが脳にとって負担になることがあります」。

瞑想は呼吸を意識することを通じて、脳と体の時間軸を「今」に一致させることで、脳を安心させ、休めます。反対に未来や過去のことで不安になっていると、心が「今」にいないので疲れやストレスにつながっていきます。瞑想をすると仕事のパフォーマンスが向上するといわれます。具体的には「集中力が上がる」「平常心が保てるようになる」「人間関係が良くなる」などの効果が挙げられています。

東京都内の研修会社社長、瀬尾純一さん(45、仮名)は電車に乗るときや食事のときなど、日常生活の中で1日10~40分の瞑想を実践して約20年になります。瀬尾さんは「瞑想によって、自分の状態がどうなっているかを俯瞰できるようになりました」と話します。

瞑想を習慣にすると、自分の微細な変化に気づけるようになります。瀬尾さんが「いつもなら、呼吸に意識をおけるのに、今日は考えが浮かんできて意識が散漫しやすいな、というときがあります」と明かすように、あるがままの自分を観察できます。

周りの人への洞察力が高まり、人間関係が良くなる

また、瞑想を通じて呼吸や目の前のものや動きなど、一つのことに注意を向けるトレーニングが集中力を向上させます。湧き上がってくる感情と一緒になって流されるのではなく、俯瞰してみることによって、困難なことがあっても「平常心を保つこと」につながります。自分を俯瞰してみるようになると、周りの人に対しても洞察力が高まります。結果として「人間関係が良くなる」のです。

東京都内の精密部品メーカーで会長を務める神山晋作さん(62、仮名)は、「瞑想によって平常心を保てるようになった」と実感している一人です。いろいろな瞑想方法をためした神山さんが現在実践しているのは、出社前にカフェで1時間ほどゆったりとすること。「集中できる時間は短いですから、より効率的な仕事をするためにカフェの時間は自分にとって瞑想のようなものです」

職業柄なのか、神山さんはその因果関係に興味を持ち、アメリカから脳波を計測する機器を取り寄せて自分だけでなく、自身が経営する社員を調べてみました。すると、瞑想状態とほぼ同じ脳波のときに良いアイデアが生み出せていることが分かりました。「会議でいえば終わった後。そこで会議ではリラックスした楽しい雰囲気をなるべくつくるように心掛けています」(神山さん)

では、瞑想やマインドフルネスとは実際どのように行えばいいでしょうか。本格的な瞑想はおおむね以下のようなイメージです。

1.20分~1時間くらいかける
2.場所を決める
3.座禅
4.だれにも邪魔されない
5.心に雑念が一切わかない
 

「お寺で座禅を組んで、背中を叩かれる」というイメージの人も多いでしょう。そのため「ガチ瞑想」と呼んでもいいかもしれません。

一方、マインドフルネスは禅の瞑想がもとになってできていますが、短時間で、かつ場所もどこでも行えるので、その手軽さからすると「プチ瞑想」といえるでしょう。特徴は以下の通りです。

1.短い時間、たとえば1分からでもOK
2.場所を選ばない
3.立っても座っても寝ていてもできる
4.周りにだれがいてもできる
5.心は雑念だらけでも全然問題ない
 

瞑想はそれぞれが相互作用しており、どれかの目的を達成するために瞑想をするのではなく、心のトレーニングとして習慣にすることで効果を実感できます。20年以上も瞑想を続けている一流のビジネスパーソンの瞑想のやり方やその効果をみると、「ガチ瞑想」ではなく、「プチ瞑想」のやり方で、自分なりの続けやすい方法見つけて、継続しているという共通点がありました。

「プチ瞑想」ならできるかも、と思った方は以下の5ステップを参考に是非、取り組んでみてください。

誰でもできるプチ瞑想実践方法5ステップ

●ステップ1

以下に紹介する「プチ瞑想の導入事例トップ12」の中でまず、できることをやってみる。

1.シャワーを浴びながら呼吸に意識をおく
2.電車で最後の一駅前にスマホを閉じてゆったりとした呼吸を行う
3.商談の前に5分早くついて、待合席にて行う
4.カフェで一人の時間に行う
5.寝る前のお布団のなかで行う
6.エレベーター、エスカレーターに乗ったとき、スマホをとじて呼吸を意識する
7.歩きながら、自分の呼吸を意識する
8.トイレ休憩の往復時間に歩く瞑想をしてみる
9.オフィスで、仕事の合間に一度伸びをしたあとにゆったり呼吸する
10.待ち合わせで相手が遅れてきたとき、呼吸に意識を置く
11.会社の給湯室で飲み物をゆっくりいれたり、飲んだりするのを楽しむ
12.リビングで大の字になって寝転がり、体の感覚を眺めてみる
 
●ステップ2

「プチ瞑想導入事例トップ12」を何度かやってみる。やりやすい内容をみつけて、何度かやってみる。そのときに、判断や評価を手放して行う

●ステップ3

毎日できるプチ瞑想習慣をつくる。「これならできる!」ことを一つでもいいから、毎日行う習慣にする

●ステップ4

誰かと一緒にやってみる。マインドフルネス関連のセミナーやヨガのレッスンにでて、他の人と一緒にやる機会をつくってみる

●ステップ5

セミナーに出て、習慣にする。自分にあったセミナー、ヨガ、プチ瞑想関連のレッスンに定期的に通い、プチ瞑想習慣のペースメーカーを見つける

どんなに忙しくても瞑想をかかさない一流の人でも、瞑想中に雑念が浮かんでくることがあります。瞑想で大切なのは、生活の中に取り入れて習慣にすることです。「自分にはうまくできない」と肩肘張らずに、まずは簡単なステップから始めてみると良いでしょう。

 

東洋経済ONLINEより転載

認知行動療法を生かす~考え方のくせ、思い込み修正~

「出来事」「感情」など書き出す

 社会に出ると、仕事や対人関係で悩みが増える。物事をネガティブに考えがちな人は、悩みもより深くなる。そんな時、 認知行動療法 の考え方を取り入れると、気分が少し前向きになるかもしれない。

 福岡県在住の男性(28)は公務員になって5年目。現在の職場では、分からないことがあれば上司に相談できるが、最初の職場では「自分で解決しなくては」と問題を抱え込んだ。気晴らしもうまくできず、不安な気持ちのまま、ストレスを募らせていった。

 「出勤しようと準備を始めても、服を着替えると胸が苦しくなる。靴を履いて玄関から一歩出ようとするのが、屋上から飛び降りるような感じで怖かった」と振り返る。1年目が終わる頃に休職。いったん復職するが、数か月後、再び職場に行けなくなった。

 2014年12月、職場のカウンセラーとして男性から相談を受けた中島美鈴さんは、認知行動療法を専門とする臨床心理士。男性のようなケースについて、「ストレスの原因を分析し、対処法を身につけないと、休職を繰り返す」と話す。

 中島さんの目に映った男性は、責任感が強く、仕事に熱心なタイプ。能力もあったが、「失敗したら全部自分のせい」「人に頼るべきではない」という考えにとらわれすぎていた。復職しても、休職中に同僚に迷惑をかけたことを負い目に感じ、相談や質問ができない悪循環に陥っていた。

 認知行動療法の考え方で言うと、他人に認めてもらうことで自らの価値を感じる「承認依存」、問題が起きると責任は自分にあると思う「自己非難」、ミスをするとひどく動揺する「完璧主義」の度合いが、通常より強い傾向がみられた。

 そんなに自分を責めなくても、と思えるが、本人は気付かない。そんな時に効果的なのは、自分が不安な気持ちになった「出来事」、その時に浮かんだ「考え」、それがもたらした「感情」の計三つを「書き出す」ことだ。

 男性は、仕事相手への過度な気遣いを出来事に選んだ。「相手が話していることが分からない。自分は力不足だ」「話を振られたらどうしよう」「今日の話をうまく報告書にまとめられない」と考えた。「みじめ」「落ち着かない」「恐怖」という感情が芽生えた。

 次に、同じ場面で同僚や友人だったら、どう考えるかを書いてもらった。「経験が浅いから仕方ない」「先輩に相談すれば良い」「新しいことを知るチャンス」などが浮かんだ。

 中島さんは「自分の考え方が絶対ではない、と気付くことが大切。物事を否定的に考える人は、それだけで気が楽になる」と効用を語る。

 カウンセラーに相談することに抵抗感がある人も、このように自分の考えを書き出すだけなら、簡単にできる。認知行動療法は10年度に、うつ病で保険適用になって以降、専門書だけでなく、一般向けに分かりやすく書かれた本が数多く登場している。

 中島さんは「認知行動療法の知識を生かせば、自分の考え方のくせや思い込みに気付き、修正するのに役立つ。生活の中でぜひ試してほしい」と話している。

  認知行動療法  物事の受け止め方や行動パターンを見直すことで、気分の改善を図るカウンセリングの一種。うつや不安、ギャンブル依存などの治療に用いられている。中島さんの著書「悩み・不安・怒りを小さくするレッスン 『認知行動療法』入門」(光文社)が分かりやすい。

ヨミドクターから転載