Monthly Archives: 6月 2016

アドラーとフランクルの類似点

アドラーとフランクルの類似点

私たちは、知らず知らずのうちに、自分がそう生きることになる人生のストーリーを無意識のうちに選んでいる。この無意識のうちに選択している「人生ストーリー」を意識化し、新たな人生ストーリーを「最選択」することで、人間は、はじめて真の「自分の人生」を生きることができるようになる。この考え方は、現在『嫌われる勇気』で大人気のアドラーの心理学と、アドラーの弟子で『夜と霧』の著者であるフランクルの心理学に共通するものである。人生を幸福へ導く2つの心理学を、人気カウンセラーの諸富祥彦氏が解説する。

(1)自分が無意識のうちに取ってまた人生のスタイルに意識化し、人生を「再選択」することで人は変わるのだ、と考える点、そして(2)自分を越えた「何か」のために生きるときにだけ、真の幸福は訪れるのだ、と考える点。この二点において、アドラー心理学とフランクル心理学は共通しています。

フランクルは20代前半の頃、アドラー心理学の若手のエースでした。つまり、フランクルはアドラーの弟子だったのです。しかし後に、フランクルはアドラーに「破門」され、仕方なく、独自の心理学(ロゴセラピー)を創始するに至ります。「人生の意味」を中心テーマとするフランクルの心理学はアドラーから破門されることで、形成されていった感があります。

しかし皮肉なことに、アドラー心理学は、晩年には、「人生の意味の心理学」となってきます。つまり、弟子のフランクルが先に取り組んでいた、「人生の意味」というテーマにアドラーは晩年に取り組み始めたのです。

晩年の思想は、ほぼ人とフランクルの思想と重なるようになっていきました。残念ながら破門後、両者の交流は行われませんでした。

フランクルの兄貴分が謀反したことがきっかけで、フランクルはアドラーから破門されたのですが、それがなければ自分はずっとアドラー派の一員でいただろう、と後にフランクルは述懐しています。

しかも、フランクルの生まれた家と、アドラーの住んでいた家は、ほんの一本の道を隔てた斜め向かいにありました。ある雑誌のテレビのインタビューを受けて、フランクルはこう言っています。

「私とアドラーとの違いは、ちょうど住んでいる家の位置くらいの違いです。ほとんど同じなんです。けれども、ちょうどななめ向かいにあって、向いている方向性が少し違っているのです」。

フランクル心理学とアドラー心理学に違う点はあります。しかし私は、両者の共通点に着目して、アドラー心理学の最終形態として、フランクル心理学を読み解いてもいいのではないか、と考えています。

自分を超えた何かのために生きるときに、人は真に幸福になれるのだ――こう考えるという点でも、アドラー心理学とフランクル心理学は、根本的に同じ構造をしています。現代人が幸福になる上で、最も重要なことを両者は少し異なる角度から照らし出してくれているのです。

給料とか、出世とか、自分の損得にばかりこだわっていては、真の幸福は望めません。幸福は、自分の幸福しか求めていない人から逃げていきます。

アドラーが「共同体感覚」と言い、フランクルは「意味への意志」というように、私たち人間は、自分を超えた「何か」のために生きるときに、はじめて本当の意味で幸福になることができる。二つの心理学は、あなたが真に幸福になることができる人生を「再選択」する上で最も重要なこのことを教えてくれるのです。

文/諸富 祥彦
YAHOO!ニュースより転載

怒りを爆発させないために─米で需要増「アンガーセラピー」

【6月20日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)のバーナード・マイナー(Bernard Minor)さん(58)は、400ドル(約4万2000円)の借金を返さなかった麻薬の売人を殺害し、26年間服役した。刑期を終えた現在は、怒りの抑制方法について教える「アンガーセラピスト」の一人として活躍している。米国では近年、このようなセラピストの数が増えている。

「以前はとにかく怒りっぽかった」と話すマイナーさん。AFPの取材には「11歳の時からストリートでの暴力に満ちた生活を送ってきた。今は人々を助けたい」と述べた。

家庭内暴力(DV)を専門とするマイナーさんが関わるのは「虐待してしまう人々」だ。「キレる」人が多いといったイメージを払拭(ふっしょく)することができないロサンゼルスでは近年、怒りの抑制を意味する「アンガーマネージメント」が注目を集めている。

これまでに1万7000人を治療してきたというベテランセラピストのジョージ・アンダーソン(George Anderson)さん(78)は、「紹介を受けて訪れる人の数が毎年20%ずつ増えている」と話す。

短気な性格として知られる有名人には、パパラッチに暴力を振るったとされる俳優ショーン・ペン(Sean Penn)さんや歌手カニエ・ウエスト(Kanye West)さん、パーティーの騒音や公道レースでクレームを受けた腹いせに隣人の家に卵をぶつけた歌手ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)さん、お手伝いさんに携帯電話を投げつけたスーパーモデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)さんらがいる。

しかし、慢性の交通渋滞にイライラを募らせたり、殺人事件の発生率が国内有数だったりと、ここでのアンガーセラピーは何も有名人のためだけに存在しているわけではない。

■爆発する怒り

金融危機や、目まぐるしさを増すばかりの日常生活からのプレッシャー、さらにはストレスの増幅を招くとされる携帯端末を通じた人々との常時接触──アンガーセラピーの台頭の背景には、このような事情も見え隠れしている。

セラピー参加者の約70%は男性だ。自らの意志でセラピーを受ける人は約半数いるが、その多くは、長年苦しめられてきた配偶者や親族から説得されての参加だという。それ以外は、裁判所からの命令を受けた人たちがほとんどだ。

ハーバード大学(Harvard University)、コロンビア大学(Columbia University)、デューク大学(Duke University)の共同調査によると、米国では過去に怒りの感情に任せて衝動的な行動に出た経験があり、さらに銃も所持しているという人が、ほぼ10人に1人の割合に上るという。またハーバード大の別の調査では、同国10代の約3分の2が抑えきれない怒りの爆発を訴えていることも明らかになっている。

一方、カリフォルニア(California)州では、暴力に対する「許容度が非常に低い」ことが、セラピーの需要増の原因になっていると、「全米アンガーマネジメント協会(National Anger Management Association)」の州支部を設立したセラピストのアニタ・アベディアン(Anita Avedian)さんは指摘している。

「子どもの手を軽くたたけば、それは虐待だ、あなたは怒る人だといわれる」「ペットに手を出そうものなら、刑務所行き」──といった調子だ。

セラピーにはグループセッションと個人セッションがある。いずれの場合も、誘発原因の特定の仕方を学ぶ。参加者の多くが配偶者とのトラブルを挙げるが、中には、他人から見下されたような感覚や、上司からの嫌がらせを訴える人もいる。

セッションでは、自分自身の怒りのレベルを1から10までの数値で評価し、7を超えないという目標を設定する。ディスカッションや視覚に訴えるテクニックを通じて、けんか腰の対応や責められているという感覚を抑え、理性を保って他人の言い分を理解する方法について学ぶ。

■成功率は70~80%

人々が経験した怒りの問題の大半は、特別厳しい父親や、親に見捨てられたという感覚といった幼少期のトラウマと関係しているという。

怒りが「再発」してしまうケースも中には見られるが、アンダーソン氏もアベディアン氏も、セラピーの成功率は70~80%とみている。

過去に反社会的組織に所属し、有罪判決を受けたこともあるトラック運転手のアーノルドさん(51)は、幼少期に虐待を受けた経験があるという。軽蔑されたと感じると現在も怒りは湧き起こるが、それを抑制する方法をセラピーを通じて学んだ。「もし誰かに手を出せば、刑務所に入ることになる。してやったりという満足感を相手に与えるつもりはない。ましてや手錠を掛けられるなんてごめんだね」と語った。(c)AFP/Veronique DUPONT

AFPBB Newsより転載

誰もがその特性を持っている?「大人の発達障害」で注目された「自閉症」の基礎知識

つい先日ですが、「発達障害者支援法」が10年ぶりに改正され、発達障害がある人への教育・就労の支援の充実、社会的障壁を取り除くことが法律でも強調されました。しかし、理解や支援といっても、実際のところ、発達障害ってどんな人たちなの?という方が多いのではないでしょうか。

「大人の発達障害」という言葉は、みなさんも一度は見聞きしたことがありませんか?Amazonで「大人の発達障害」と検索すれば、実に200冊の書籍がヒットし、クローズアップ現代やNHKスペシャルなどでも取り上げられたテーマです。複雑なコミュニケーションが求められる社会になるなか、困り感を抱える当事者へのサポートや強みを生かす支援、職場など周囲の理解の重要性が指摘されています。

大人の発達障害は生まれつき

生きづらさを抱えながらも診断されないまま大人になり、社会に出てから「発達障害」という診断に至るケースが増えているようです。これが「大人の発達障害」です。「発達」という語感から子どもの障害であるイメージが強いかもしれませんが、先天的な脳の機能障害です。成長とともに緩和するケースはありますが、治ることはありません。発達障害がある子どもは大人になってもその特性を持ち続けることになります。大人の発達障害が増えた要因は、診断基準の整備や高度なコミュニケーションを求められる社会の変化と考えられますが、これは子ども世界においても同じです。文部科学省が2012年に実施した調査では、発達障害の可能性のある児童が6.5%の割合で通常学級に在籍することが示されました(文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援の必要な児童生徒に関する調査」)。医師が診断した数ではなく、教職員などが評価したデータである点は留意が必要ですが、1クラスに2人程度いる計算になります。みなさんの職場にも、通勤電車の中にも、お子さんの学校のクラスにも、決して少なくない数の発達障害の人がいるということです。

本記事ではもう少し踏み込んで、みなさんも多かれ少なかれ、わずかであっても、その特性を持っているという話をしたいと思います。

自閉症と健常者に明確な境目はない

発達障害は、大きく「自閉症スペクトラム」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」に分けられます。注意力や衝動性に障害があるADHDや、読み書きや計算に特異的に困難を示すLDに比べて、自閉症スペクトラムの人は、言葉の遅れや、他者の感情が分からない、パターン化した行動など障害特徴のあり方が複雑です。実際に接した感覚としても、一番特徴的に感じるかも知れません。

この「自閉症スペクトラム」について詳しく見ながら、「境目がない」ということの意味を紹介しましょう。「自閉症スペクトラム」というのは聞きなれない言葉だと思います。「スペクトラム」は「連続体」という意味で、いわばグラデーションのようなものです。「自閉症の人」と「自閉症ではない人」(=多くの読者のみなさん)の間に明確な境界線があるわけではないのです。健常者や軽度の自閉症傾向の人から、重度の自閉症の人まで、連続的につながっているという考え方が、この障害名の前提にあります。特性の強さや現れ方に程度の差こそあれ、誰もがその特性を持っているということです。

誰もが特性を持っているのなら、自分はこのスペクトラムのどの辺りに位置するか気になりませんか?位置を把握するための参考指標として、「自閉症スペクトラム指数(AQ)」という評価尺度があります。もともと海外で開発されたもので、若林ら(2004)により日本語版に翻訳・標準化されています。web上で簡単に自閉症傾向をチェック、自動計算されるサイトもあるようです。

自閉症スペクトラム指数(AQ)

全50問の簡単な質問に当てはまる度合いを4択で答えることで、自閉症スペクトラム指数を割り出すことができます。上記論文によると健常者の成人(社会人)の平均値は18.5で、33点以上が自閉症スペクトラム障害の可能性が高くなります。これは知的障害のない成人向けの臨床的診断ツールの一つですが、健常者における自閉症傾向の個人差の測定ツールとしての有効性も示唆されています。

(※上記サイトや論文にも記載がありますが、このチェックで33点以上だった場合に直ちに「自閉症スペクトラム障害」と診断されるわけではなく、診断は専門医にしかできません。)

上記チェック項目には、

「同じやりかたを何度もくりかえし用いることが好きだ」

「ほかの人は気づかないような細かいことに、すぐ気づくことが多い」

「パーティーなどよりも、図書館に行く方が好きだ」

などの項目があり、誰もが少しは当てはまるのではないでしょうか。

ちなみに私もチェックしてみたところ、12点で、平均よりも低い得点となりました。私の所属する組織の男性スタッフは16点だったそうです。性差もあり、女性よりも男性のほうが得点が高い(自閉症傾向が強い)といわれます。

繰り返しますが、私たちのように健常成人といわれる人と自閉症の人たちとの間に明確な境目があるわけではありません。あくまで程度の問題として、社会適応が難しいレベルに特性が強い場合、自閉症スペクトラムという診断につながるということなのです。

適切な支援で症状が改善

自閉症スペクトラムは、「心の病気」や「引きこもり」ではなく、先天的な脳の機能障害です。外界の認知に偏りがあり、社会的コミュニケーションが苦手であったり、特定の物事に強い拘りを示します。その原因は解明されていませんが、何らかの遺伝的要因によるという考え方が主流です。「愛情不足」や「育て方」のせいであるという誤った認識から、当事者家族がつらい思いをするケースも未だに多いのですが、それは断じて違います。私が出会ってきた何百人もの自閉症があるお子さんの保護者の方たちは、とても愛情深く子育てに前向きです。

また、この障害は基本的には治るということはありませんが、本人の特性に合わせた環境(仕事内容や周囲からの関わり方)の設定によって生きやすくなります。持ち味をいい形で発揮できるようになるわけです。さらに、適切な方法に基づきトレーニングを行うことで、社会性や知能も向上する可能性があることも分かっています。

具体的なトレーニングについてご興味がおありの方はこちらをご参照ください。

効果のある療育支援について

最後に

まずは発達障害を今より身近に感じてみてください。皆さんも多かれ少なかれ持っている特性が、たまたま極端に強いために、環境によっては適応が難しい障害なのです。理解と共感がゆるやかな支援となり、その先に初めて積極的な支援が行き渡る社会の実現があるのではないでしょうか。
YAHOO!ニュースより転載

「さしすせその相槌」で夫に冷たかった妻に笑顔戻る

2年前に大手メーカーを定年退職した石田晃一氏(仮名・67)は、妻と過ごす時間が増えたことによる夫婦関係の変化に嘆き節が止まらない。「朝食時に話しかけても、返事は“うん”の一言。朝ドラから目を離さず、気がつけばトーストと目玉焼きという簡易メニューばかり。会話は日に日に減り、いまでは妻が何を考えているのかすら分からない」──。

こうした妻の心変わりに気づいたからといって指摘してはいけない。人は本心を見透かされることを嫌うからだ。では、どう対処すればいいのか。立正大学心理学部名誉教授の齊藤勇氏が指摘する。

「自らが好意を持って接すれば、相手も好意を返そうとする心理、『好意の返報性』を使えばいい。好意は相槌を打つことで伝えられます。さらにその際、“さすが”、“知らなかった”、“すごい”、“センスいい”、“それで、それで?”と言葉を付け加える『さしすせその相槌』を意識すれば、より効果的です」

この相槌は、いかなるシチュエーションにも対応できる万能術だ。長年連れ添った妻にも有効なのかと半信半疑だった木村氏だが、カーテンが新調された際に「さすが、すごくセンスがいい」と対応。その後も毎日のように「さしすせその相槌」を実践したところ、1週間後には妻から話題を振ってくるようになったという。

褒め言葉も効果的だが、男性が自身の能力や成果を直接的に褒められることに弱いのに対し、女性は猜疑心が強いため安直な褒め言葉は逆効果になりかねない。

女性は「過程」を褒められることに喜びを感じるため、結果ではなくそこに至るまでの思考や行動などのプロセスを褒めることがポイントだ。

例えば、「今日の料理も美味しいね」ではなく、「疲れているのに毎朝、作ってくれてありがとう」といった具合だ。

夫婦仲の改善に繋がる褒め方は、ほかにもある。『悩み0(ゼロ)―心理学の新しい解決法―』(ワニブックス刊)の著者・神岡真司氏が語る。

「“キレイ”や“痩せた”などではなく、少しひねった褒め方が効果的です。難しく考える必要はありません。誰にでも当てはまるような一般的な褒め方でいいのです。これは『バーナム効果』と呼ばれ、相手が勝手に“私のことを理解してくれている”と思い込む心理効果です」

石田氏の妻は社交性に富んでいるので、「自由奔放に見られがちなところもあるけど、実は物事を冷静に捉えている」、「優しくて温かみがある、誰に会わせても問題ない」などと、万能的な褒め言葉をかけたところ、あの冷たかった妻から「長年一緒にいるとわかるものね」と、はにかんだ笑顔が返ってきたという。
livedoor’NEWSより転載

拒食症に過食症……摂食障害を取り巻く現状と日本に求められる支援体制

摂食障害に苦しむ人やその家族をサポートすることなどを目的とした「日本摂食障害協会」の設立発表会がこのほど、東京都内で開催された。同発表会では、同協会の理事長である生野照子さんら有識者が登壇し、日本の摂食障害患者を取り巻く現状などについて講演した。

大阪メンタルヘルス総合センターのセンター長も務める心療内科医の生野照子医師

国内の摂食障害患者は20万人を超えている可能性

摂食障害には、体重が異常に減る「拒食症」、いくら食べても満腹感が得られずに暴飲暴食や嘔吐(おうと)、下剤の乱用などを繰り返す「過食症」、そのほか中高年の男性に多い「過食性障害」の3種類があり、全世界で7,000万人に影響を及ぼしているとされている。日本での認知度も広まりつつあるが、正しい知識と理解の普及にはいたっていない。

大阪メンタルヘルス総合センターのセンター長も務める心療内科医の生野医師は「現在、日本国内には摂食障害を患っている人は2万人以上と言われてますが、実際には治療を受けていない、あるいは、治療を希望しても治療者不足で受けられない『潜在患者』を含めたら、約10倍の20万人を超えると言われています」と現状を説明する。

日本の若い女性は「やせ願望」が非常に強く、摂食障害の有病率は、摂食障害治療の先進国のアメリカやイギリスと並ぶ高さである。それにも関わらず、治療・支援体制の整備は欧米と比較して著しく遅れているという。

「日本は深刻な治療者不足で、数少ない病院や医師の元に全国から患者が殺到している状況です。現在も膨大な数の当事者とそのご家族が適切な治療を受けられないまま、症状が悪化し続け、最悪、死に至ってしまうケースもあります」とさしせまった状況を訴えた。

東京女子医科大学病院 附属女性生涯健康センターに所属する臨床心理士・小原千郷さん

摂食障害は重度の栄養失調が原因で、患者の7~10%が死に至る病気であり、精神疾患の中では最も高い致死率である。また、発育停止や骨粗しょう症、無月経、歯の損失、抑うつなどの症状をもたらし、学業や社会活動、対人関係が著しく阻害され、社会の中で孤立してゆくという。親子関係も悪化し、当事者の家族も悩み苦しむなか、周囲の理解とサポートが切実に求められている。

摂食障害には環境面と遺伝面の要因

過度のダイエットが摂食障害のきっかけと思われがちだが、実際はそうでない。ミュゼプラチナムが1,000人の20~30代の女性を対象に摂食障害について実施したアンケート調査の結果をもとに、東京女子医科大学病院 附属女性生涯健康センターに所属する臨床心理士・小原千郷さんは次のように語った。

「摂食障害の原因が、ダイエットや家族(母親)であると思いこんでいる人が20%近くいましたが、これらはきっかけの一つであり原因ではありません。実際には、生まれ持った遺伝的要因と、生まれ育った環境的要因の両方が大きく関与しています」。

摂食障害の認識と知識層得点

「自分の育て方が原因」と自責の念に駆られる母親も非常に多いものの、治療において家族は患者のなによりのサポーターとなりうる。

摂食障害はストレスをはじめ、生物学的要因が影響しているため、本人の意志だけで治すのは難しい。それでも、早期発見、早期介入・治療による完治が可能となるだけに「独りで悩まずに一日も早く受診してほしい」と、摂食障害に苦しむ人たちに向けて呼びかけた。

次に政策研究大学院大学教授で内科医の鈴木眞理医師が登壇し、「食に関わる、現代の日本が抱える健康問題」について解説した。鈴木医師は、1987年から2007年までの20年間にわたる「やせと肥満の比率」の推移について、20代から70代までを対象に調査した結果、ある事実が判明したと解説した。

「世界的には、経済発展が進んで栄養が豊かになるつれて肥満率が高くなっています。その中で、なぜか日本人の20代から40代の女性だけ『やせ』が増加しています」。

「やせ」の母親の増加に伴い、その子どもも「やせ」となる傾向にあるという。鈴木医師は、特に小学生といった低年齢での「やせ願望」を問題視しており、中高生の時期に拒食症になる女子が非常に多いことが、学校ベースの調査報告からわかっているとした。

日本の13歳~18歳女子の摂食障害の有病率は、摂食障害治療の先進国・イギリスとほぼ同じ数値だ。それにも関わらず、日本では学校の保健教育などでの摂食障害に対する知識の普及や、治療を促す啓発活動も著しく遅れているという。

政策研究大学院大学教授で内科医の鈴木眞理医師 日本人の肥満とやせの推移 世界各国の女性の拒食症の有病率

女性アスリートが陥る無月経

健康という観点から考えると、拒食症が骨に与える影響も深刻。拒食症患者の腰の骨のカルシウム量の数値を調査したところ、若い女性でも80歳の老人と同じ数値だったという報告もある。

特に問題が根深いのがスポーツ界で、若い女性アスリートが「体重が増えると記録が下がるのでは」という不安で食べられなくなるのは決して珍しいことではない。そんな状態でも記録を出すために過酷な練習や食事・体重制限に励んだ結果、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回る「エネルギー不足」が主な要因で無月経になっているケースが多いという。

「無月経が続くと骨を強くする女性ホルモンが減り、疲労骨折や卵巣機能が低下するなど、不妊のリスクも高まります。女性アスリート自身が『無月経のほうが楽でいい』と深刻に受け止めない現状もあり、選手の健康よりも記録優先のスポーツ界の意識を変えていかなければ」と訴えた。

今の日本に求められる支援体制とは

翻って、他国はどのように摂食障害という難題に立ち向かっているのだろうか。白梅学園大学教授で精神科医の西園マーハ文医師は、イギリスの段階的治療システムや支援体制について紹介した。

「イギリスでは精神科医をはじめ、看護師、栄養士、カウンセラー、ソーシャルワーカーなどのさまざまな職種が連携しあい、外来診察、相談、情報や資料の公開・提供、デイケア、家庭訪問治療、社会復帰支援などに対応し、より多くの当事者が地域生活の中でよい状態を保てるよう支援する体制になっています」。

入院治療の専門医療機関とは別に、摂食障害支援センターやレジデンシャルホーム、地域ケースにデイケアケース、入院ケースと幅広く対応する「摂食障害ユニット」などの中間施設があるという。このユニットは、イギリスでは多いところでは人口100万人に対して1つ、少ないところでも200万に1つある。仮に東京ならば、人口からして5~6個は欲しいという。

白梅学園大学教授で精神科医の西園マーハ文医師 イギリスの段階的な摂食障害治療の流れ

治療者不足という深刻な危機に直面している日本では、一つの専門機関に患者が殺到し、その間に多数の「待機患者」が早期治療を受けられないまま症状が悪化していくという負のスパイラルに陥っている。これでは患者が増える一方で、病院側も対応しきれずに互いに”パンク”する恐れがある。

そんな現状を打破するため、マーハ文医師は「イギリスのように一般のかかりつけ医、家庭医が摂食障害治療のトレーニングを受けて、重症ではない患者を各地域で対応できるような役割分担、段階的治療システムが日本にも求められています」と結んだ。

マイナビニュースより転載

アドラーの心理学を知れば人生の悩みが消える

人生の悩みを消し去る勇気を持つために

アドラーの心理学がブームになっている。韓国などではすでに超人気でアドラー本が売れに売れているが、ここに来て日本にも多くのファンが誕生している。

その背景には一向に良くならない経済環境、将来への不安、そして企業が成果主義人事を徹底させるようになって働く人の気持ちに余裕がなくなってきていることなどが挙げられるだろう。

人工知能やロボットの発達で人間の職業は今後、次々と機械に取って代わられる危険性もある。そうした厳しい時代を私たちはどのように生きて行くべきなのか――。

実は、厳しい時代は何も今に始まったことではない。人間の長い歴史の中で厳しくない時代を探し出す方が難しい。組織の中でしか生きることができない人間にとって、いつの時代も悩みはついて回るのだ。

だからこそ、時代を超えてアドラーは私たちに多くの的確な示唆を与えてくれる。アドラーの心理学を学ぶことで、今まで悩み続けていたことが、目から鱗が落ちるように解決される場合も多い。

日本におけるアドラー心理学の第一人者、岸見一郎さんにアドラー心理学の真髄を聞いた。以下は岸見さんのお話である。

■ アドラーが注目する3つの点

アドラーは、「人間の悩みは1つの事柄に行きつく。すべて対人関係の悩みである」と断言しています。そのうえで、次の3点に注目し、「より大きな共同体の声を聞け」と説いています。

1.怒りとは出し入れ可能な道具である。
2.他人は、あなたの期待を満たすために生きているのではない。
3.自由とは、他人から嫌われることである。

赤面症の少女をカウンセリングしたことがあります。その子に「もし赤面症が治ったら何をしたい?」と聞いたら、「男の人とつき合いたい」と言う。

赤面症であることを理由に人生の課題から逃げているわけです。そこで、「人生の目標を変えてみよう」とアドバイスしました。
YAHOO!ニュースより転載

不完全主義でOK。自己嫌悪に陥ったときは3ステップで気持ちを切り替えよう

仕事をする上で、誰もが「後輩から尊敬されたい」「同僚や上司から一目置かれたい」といった“理想の自分”を思い描いているはず。それなのに、後輩にみっともない姿を見せてしまう、先輩に叱責されるなど、“理想の自分”を裏切る出来事が起こると、「なんて私はダメなんだろう」と自己嫌悪に陥ることも。

そんな自己嫌悪の状態のまま放っておくと、どんどん自信を失って本来の力を発揮できなくなるため、さらに失敗を繰り返すようになって自暴自棄になりかねないと、働く女性にアドバイスする書籍を数々執筆してきた有川真由美さんは忠告する。

「自己嫌悪は、長引けば長引くほど深刻になり、やがて自分も他人も認められなくなって追い詰められた気分になってしまいます。『私ってダメだな』と思ったときは、即座に気持ちを切り替えて『そんな私だけど、いいところもある』『すんだことは仕方がない。これからきっとよくなる』と、意識的に開き直ることが大切です」(同)

自己嫌悪の状態から開き直ることは難しそうに思えるけれど、次の3つのことを行えば、次第に簡単に切り替えられるようになるのだそう。
◆完璧主義ではなく不完全主義をめざす

なんでもできるパーフェクトな人ほど素晴らしいと思いがちだけれど、その考えを捨てて、「人は不完全だからこそ人間味がある」という“不完全主義”をめざしてみて。すると、自分のいいところも悪いとこもひっくるめて受け入れられるようになり、失敗しても「これが私」と、不完全な自分を認めることができる。

「不完全主義になると、自分のいいところだけでなく悪いところも愛せるようになります。すると、他人の不完全さも認められるようになり、人に対して寛容な自分に自信を持てるようになるでしょう」(同)

◆「ダメな自分」を笑い飛ばす

不完全主義を一歩進めて、「ダメな自分」を笑い飛ばしてみよう。すると、自分の失敗や欠点が愛おしいもののように思え、「ダメな自分」をポジティブに受け止められるように。また、明るく笑い飛ばすことで、深刻に落ち込んでしまうのを防ぐこともできる。

「『ダメな自分』を笑い飛ばすことは、自分の失敗を客観的に見つめることになります。一歩引いた視点で自分を見つめることによって冷静になれて、平常心を取り戻しやすくなります」(同)

◆「小さな約束」「小さな感謝」「小さな親切」を実行する

自己嫌悪を払拭するには、自分を好きになることが特効薬に。すぐにできる小さなことを目標に掲げてそれを達成したり、なにげないことにも「ありがとう」と言うようにしたり、ささやかな親切をこまめに実行したりすると、「私って結構やるじゃない!」と自分を好きになれる。

「この3つを実践すると、自分に対する誇りが生まれて、自分を信じられるようになります。また、楽観的になることで、自己嫌悪の気持ちから前向きに開き直ることができます」(同)

不完全な自分を愛しつつ、さらによくなるにはどうしたらいいかと考えることができれば、成長にもつながるはず。そんな風に前を向いていれば、自己嫌悪という感情を寄せ付けない自分になれそう!
livedoorより転載

一般的な抗うつ剤、子どもや十代の若者らに効果なし【研究】

【6月9日 AFP】最も入手しやすい抗うつ剤は、深刻なうつ病を患う子どもや10代の若者に対して効果がなく、一部は安全でない恐れもあるとする研究論文が9日、発表された。

英医学誌ランセット(Lancet)に掲載された論文によると、有効成分を含有しない偽薬と比較した際、より高い抗うつ作用がみられたのはフルオキセチンのみだったという。

一方、ベンラファキシンは、偽薬や5種類の他の抗うつ剤と比べて、自殺願望や自殺衝動のリスク増加と関連性があると指摘した。

さらに、これらの薬剤が若者に及ぼす影響について適切に計画された臨床試験が十分に行われていないと警告。国際研究チームは、若者が抗うつ剤を服用する場合、特に治療を開始したばかりの時期には、薬の種類を問わず若者から目を離さないよう勧告した。

論文によると、抗うつ剤を服用している子どもや10代の若者の割合は、2005年から2012年の間に、米国では1.3%から1.6%に、英国では0.7%から1.1%に上昇したという。

研究では、9~18歳の5260人を対象に行われた34件の臨床試験を調査した。(c)AFP

AFPより転載

「みんな一緒」を強要する日本の職場は海外企業に勝てない

● 幅広い人種・国籍の人が集まると シンプルかつロジカルな対話が必要に

本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

筆者が勤めているのはオーストラリアの大学のマレーシアキャンパスにある、ビジネススクールである。授業はすべてオーストラリアの本校と同じ内容で、当然英語で行われる。3年近く前に筆者が赴任した当初は、日本人学生はひとりもいなかったが、現在ではちらほら見かけるようになった。かつては欧米にしか関心が向いていなかった日本も、近年のアジア諸国の経済的台頭を受けて変わってきたことを実感している。

マレーシアにあるオーストラリアの大学、ということを反映して、教授陣も学生も実に国際色豊かである。マレーシア中で、主にマレー系、中華系、インド系の3種類の人種が混在しているうえ、本学ではオーストラリアからの交換留学生、インドネシア、タイ、バングラデシュや中東諸国からの留学生、そして最近増えてきた日本や韓国からの留学生も加わって、かなり幅広い人種構成だ。

ここにきて3年近く経つが、実感したのは、このような場では嫌でも「異文化コミュニケーション力」がつくことだ。

人種、宗教、国籍などダイバーシティの高い本学のキャンパスでは、一人一人の文化的背景、宗教的背景が違うため、必然的にコミュニケーションはシンプルかつ直接的、そしてロジカルなものでなくてはならなくなる。

もちろん筆者ら教員も皆、世界各国から来ているため、同様だ。自分の考えを表現するためには、英語のわかりやすさはもちろん、相手がどのような考えなのかを事前のコミュニケーションで把握する必要がある。他の教員の国籍、専攻、年齢などの個人的な情報はもちろん、かつての学生からの評価、付き合いの長い同僚による評価など、あらゆる情報が役に立つ。相手の人種的、文化的な背景を知っておくことにより、コミュニケーションは格段に取りやすくなるのだ。

皆のバックグラウンドが違えば、当然のことながら価値観も異なる。したがって、問題の解決や何らかについて合意を得ようとするときは、価値観の違いを乗り越えるためのコミュニケーションが必要となる。

筆者の経験では、価値観の違いを乗り越えてコミュニケーションをとるための最も大切な要素は「わかりやすさ」と「公平さ」だと感じている。事実、学内会議でさまざまな問題を話し合うが、論点のほとんどは「どうすればフェアな意思決定ができるか」である。フェアであるために、必要な情報をできるだけ集めて共有し、意見を集約するのである。

このように否が応でもコミュニケーション力は磨かれるが、それは日本の就職活動等の際に求められる「コミュニケーション力」とは少し違うのではないかと筆者は見ている。
YAHOO!ニュースより転載